愛か、金か、友情か、価値観の問いの定番の選択肢だが、この映画はまさに、この選択を如実に語るものである。

舞台は、1920年代のアメリカ、オクラホマ州での物語、当時この地域ではアメリカ原住民のオセージ族がオイルマネーを背景に、白人を使用する状況にあった。
白人たちはオセージ族と血縁関係を結び、非業な手口で彼らの財を狙う。
この作品は、実話がもとになっており、まさに米国の消された歴史を切り抜いている。

物語は、デカプリオ演じる退役軍人アーネスト、デニーロ演じるキング、そしてオセージ族で、アーネストの妻となるリリー・グラッドストーン演じるモーリーを中心に、家族、友人を巻き込んだ疑心的な人間ドラマが繰り広げられる。
一体誰を信じたら良いのか?生きるために大切なことは何なのか?そんなことを思いつつ、登場人物に感情移入をしながら物語の行方を伺う206分。

かなり長い作品でインターミッションがあっても良いくらいだが、長いと感じられないほど、ドラマティックな作品であり、見応えがあった。

そして、なんといってもデカプリオの演技がすばらしかった。
年々磨きがかかる彼の演技に、これからも注目したい。(★★★★)

◎キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン