この作品は実際に起こった事件を題材に、書かれた同名小説を元に映画化されたものだ。
実際に、重度障害者施設の現実がどうなのかはわからないが、この映画で取り挙げている出来事は、ある程度のリアリティが感じられた。

物語は、宮沢りえ演じる洋子がこの施設で働くことからはじまり、彼女とともに、その現実を見ることになる。
同僚となる陽子(二階堂ふみ)の葛藤。磯村勇斗演じる、さとくんの苦悩。
夢を追う夫(オダギリジョー)との生活の中で、自分の人生を生きようとする洋子。
そんな中、ついに事件が起きてしまう。

「見て見ぬふり」をしてきたの行末の結末。
問題は常に内在していて、月が満ちるように、突然、それは表面化してしまうのだ。

社会生活と営む我々にとって、人としてどう生きるべきなのか?
いろいろなことを考えさせられる作品であった。(★★★★)

◎映画「月」オフィシャルサイト