何気ない日常を描いた映画とい方もいるが、そんな単純な作品ではない。この映画はある意味、ロードムービーに近い手法で描かれた人生賛歌のように思えた。
主人公は、一人暮らしの高齢者、仕事は公共トイレの清掃員だ。
毎日、自分が決めたルーティンで、1日、1日を意志をもって生きている姿は素敵だ。
大切なことは、自分が納得する人生を送れているかどうかなのだ。
彼の趣味は神社の木々の木漏れ日をカメラで撮ることと、境内で見つけた木々の芽を持ち帰り、育てること。ここに、人生とは何かという問いに答える一つのヒントが隠されているように思う。
記憶の断片が、オーバーラップし、積み重なる。
ラストカットで、何を感じる事ができるか、それが重要だ。(★★★★)
PERFECT DAYS 公式サイト

映画の舞台となっている、東京トイレットというプロジェクトは、本当に素晴らしい企画だと思う。公共トイレを著名な建築家やクリエイターが設計し、トイレ自体が観光名所となる。
全てを巡るのは大変だが、チャレンジしたい気持ちになる。
THE TOKYO TOILET