映画「ファースト・カウ」は、1820年代のアメリカ、西部開拓時代の物語。遠い昔の話だけれど、人と人との関わりや友情は変わらない。劣悪な環境の中、一攫千金を夢見る男達。日々の暮らしに絶望感を抱きながらも、光を求めて生きるのだ。
二人は山の中で出会い、人生を変えるために、協力して商売を始めるのだが、うまい話などあるわけもなく、危ない橋を渡り始める。初めてやってきた牛(ファースト・カウ)は彼らにとって、頼みの綱、夢をかなえるためのトレジャーだ。
理不尽な社会の中で、生き抜くため助け合い、その中で育まれる人間関係。苦しみが大きいほど、喜びが高まり、友情も深くなる。
友情は、人間いとって、なくてはならないものなのだ。(★★★★)

詩人ウィリアム・ブレイクの言葉「鳥には巣、クモには網、人間には友情」