映画「TAR/ター」。ケイト・ブランシェットの演技と脚本が素晴らしい。
実話をもとにしたようなドキュメンタリー感、対立から生まれるサスペンス感が半端ない。

話としては、女性初のベルリンオーケストラの常任指揮者に就任したリディア・ターがトップランナーとして、現代音楽界を牽引いていく物語である。

孤高にしてストイック、傲慢にして繊細というキャラクターのターは同性愛者であり、ビーガンという、かなり複雑な設定。


物語は淡々と進むが、リディアの言動や行動が気になり、観客は徐々に映画に引き込まれていく。劇中で語られる芸術論や音楽論も、具体的でマニアックだ。

常任指揮者としての影響力は強く、大きな責任が彼女にのしかかる。
彼女はどんな選択をし、自分の人生を生きるのか?
最後まで、気が抜けない作品だ。(★★★★)

◎TAR/ター公式サイト